「刀鍛冶と文明開化」見学記

パルテノン多摩・歴史ミュージアムへ「刀鍛冶と文明開化 ~明治期・多摩の乞田鍛冶の渡米に見る海外技術導入~」を見学に行きました。
2019年4月20日 から7月15日まで開催の特別展です。

貝取村(現多摩市)の乞田鍛冶、濵田吉之と正行の兄弟が、自らの技能を活かしつつ時代の変化に即応し生きていった様子に、感銘を受けました。
また、幕末から明治の多摩地域、政治や産業など諸相もよくわかり、大変勉強になりました。
新選組や農兵隊、戊辰戦争の旧幕軍、自由民権運動といったことにも関連しています。

とても見応えのある展示ですが、残念ながら図録が刊行されていません。
過去の展示図録『鍛冶屋のあゆんだ幕末・明治』(2009年/同館にて販売中)に共通の内容が掲載されていますが、今回はその後に判明した新しい要素も多数あります。

そこで、見学中に書き留めた展示構成と解説タイトルを、以下に公開します。

第1章 幕末の多摩と乞田鍛冶
多摩に残る麥花塚と乞田鍛冶
麥花塚の建立者・濵田助左衛門一重(麥花)
江戸時代の濵田助左衛門
乞田鍛冶・吉之
乞田鍛冶・正行の刀剣
乞田鍛冶・正行と妻ナミ
正行の江戸拠点
乞田鍛冶・吉之の古文書
小島家に残る乞田鍛冶の記録と資料
当時の村は ~悪化する村の治安~
千人同心・伊野銀蔵の日光勤番
村の武装化と農兵隊の結成
武器請取証
刀剣講
銃砲による武装
小島資料館の農兵隊資料
戊辰戦争と乞田鍛冶
幕府通辞・飯高平五郎と乞田鍛冶
伊野家の資料から ~幕末の知識と関心~

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2019-06-04 : こぼれ話 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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「戊辰箱根戦争 ー小田原藩×遊撃隊」見学記

箱根町立郷土資料館へ「戊辰箱根戦争 ―小田原藩×遊撃隊」を見にいきました。
2018年10月13日~11月25日開催の企画展示です。

展示の趣旨はタイトルのとおり、戊辰戦争のうち「箱根の戦い」を紹介するものです。
すでに周知のとおり、旧幕府・遊撃隊の抗戦派である伊庭八郎と人見勝太郎は、上総請西藩主・林昌之助忠崇と図り、慶応4年閏4月3日に上総で挙兵しました。
この遊撃隊は、5月5日より沼津に滞陣。同17日、上野で彰義隊と新政府軍との戦いが始まったという一報が届きます。
江戸への進軍を開始した遊撃隊は、同19日、箱根関所を守る小田原藩と交戦。
ところが、恭順か抗戦かと動揺していた小田原藩は、一転して遊撃隊と和睦、協調することに。
さらにその直後、再び恭順論に転じ、遊撃隊の討伐を決しました。
同26日、箱根山崎において、遊撃隊と小田原藩との戦いが勃発。
この戦いは1日で勝敗を決したものの、周辺各地で掃討戦が行われるなど、地域一帯に戦争の爪痕を残しました。

企画展では、鳥羽・伏見戦争後、地域に新政府が進軍してきたことから始まり、遊撃隊の来訪・滞陣、箱根関所の戦い、山崎の戦い、その後の地域に残った影響について、多数の資料を展示しています。
遊撃隊と小田原藩、それぞれの当時の動向がかなり詳しくわかる文書記録も。
また、地域の人々が戦争によって多大な被害を受けたこと、後年に遊撃隊の戦死者供養に協力したことなど、「民衆」にも注目しています。

とても充実した企画展なのですが、残念なことに図録が刊行されていません。
また、展示解説書や展示資料リストなどの配布物もありません。
館内は撮影禁止のため、見学を記録する方法はメモをとるくらいです。

せっかくの素晴らしい企画展なのに、この状況は大変惜しまれることです。
そこで、せめて展示資料の一覧を、下記に公開することにしました。
当方が私的に筆記・作成したものなので、公式の図録や展示解説に代わるようなものではありません。不備も多々あるかとは存じますが、何卒ご容赦下さい。
同展に関心を持たれた皆様にとって、多少なりとお役に立ちましたら幸いです。

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2018-11-09 : こぼれ話 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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京都国際ホテル跡地 続報

過日の記事「京都国際ホテルと守護職屋敷門」の続報をお知らせする。

京都国際ホテルの敷地内の大きな棟門について、「守護職屋敷から移築されたもの」「かつてこの地にあった福井藩屋敷のもの」という説があること、京都国際ホテルの公式見解が「梶井宮家から移築されたもの」であったことは、すでにお知らせしたとおり。

2014年12月、京都国際ホテルが営業終了し、阪急不動産が即日で跡地を買い取った。
その跡地利用について、京都市が「宿泊施設の建設を望む」との、異例ともいえる要望書を提出したことにより、マンション開発を計画する阪急不動産の対応が注目されていた。

2015年7月、阪急不動産がマンション開発を断念する、と報道された(7月27日 建設ニュースほか)。
やはり、京都市の要望に沿った方向で対応せざるをえなかったと推測される。

2016年1月、跡地を阪急不動産が手放すこと、三井不動産が取得しホテルを建設することが、報道された(1月26日 日本経済新聞/建設ニュース)。
三井不動産の計画では、敷地面積約7500平方メートル、4階建て300室程度、平均客室単価は3万円強の高価格帯ホテルとして、2018年度の開業を目指すとのこと。

続いて同年4月、京都国際ホテルの解体工事が始まったと、報道された(4月13日 建設ニュース)。
この解体工事は、2017年3月末頃までに終える予定という。

ちなみにこの土地は、京都国際ホテルの営業母体である藤田観光が昭和26年(1951)に取得する以前は、三井家の所有地だった。
今回同地を取得した三井不動産は、三井合弁会社の不動産課にはじまり、三井財閥を祖とする企業である。つまり、かつての所有者に復した、と見ることもできよう。

棟門の今後の扱いに関しては、残念ながら、これといって報道されていない。
由来がどのようであるにしろ、文化財として今後も保存されて欲しいと思う次第である。

なお、棟門の由来調査については、歳月堂発行『新選組even』収録「守護職屋敷門の謎を探る」に詳述している。
ご興味のある方々は、ぜひそちらをご一読いただきたい。

2016-06-27 : こぼれ話 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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