「天然理心流と土方歳三」見学記

日野市立新選組のふるさと歴史館の令和元年度冬季企画展「天然理心流と土方歳三」を見学しました。
開催期間は2019年12月24日(火)から2020年2月24日(月・振休)です。

展示は、天然理心流と土方歳三や新選組との関わりを中心に、多摩地域に剣術が広まった背景、天然理心流が創始され伝わった経緯、維新後の同流など、わかりやすく紹介しています。

展示室内は撮影禁止で、図録の販売や展示資料リストの配布はありませんでした。
そこで、見学中に書き取った展示構成(コーナータイトル)と展示資料名を、以下にお伝えします。


1-1 幕末の多摩地域
 日野宿組合宿村高書上帳控 文久2年
 日野宿組合村々見取麁絵図 嘉永元年
 関東御取締御出役様え御用書上帳 文久元年~慶応3年

1-2 武士が先祖の人々
 八王子千人同心所在絵図 嘉永7年

1-3 天然理心流の広がり
 新撰武術流祖録 天保14年
 武術英名録 万延元年

1-4 天然理心流の系譜
 天然理心流切紙(近藤周平→佐藤彦五郎) 嘉永3年8月
 天然理心流切紙(増田蔵六→天野清吉) 天保6年

2-1 天然理心流と日野
2-2 豪農たちの支援
 天然理心流免許(複製/近藤周助→井上源三郎) 万延元年5月
 天然理心流中極意目録(近藤勇→土方「義昌」) 文久2年9月
 天然理心流切紙(近藤勇→古谷優之助) 文久2年9月
 天然理心流奉納額(複製/安政5年8月)

2-3 土方歳三と天然理心流
 佐藤彦五郎日記 万延元年5月14日条
 佐藤彦五郎日記 万延2年1月28日・29日条

2-4 天然理心流を通じた交流
 御用留(比留間七重郎日記) 万延元年9月30日条
 剣術覚帳 万延2年~文久4年
 天然理心流序目録(近藤勇→古谷優之助) 文久2年9月

2-5 史料にみる土方歳三
 真田範之介書状(→宮崎牧太郎) 万延元年
 武術英名録 万延元年

3-1 揺れ動く幕末日本
 江水散花雪 月岡芳年 明治時代

3-2 「尽忠報国」の浪士組誕生
 近藤勇書状写帳 文久3年

3-3 剣客集団としての新選組
 佐藤彦五郎日記 慶応3年10月7日条
 新選組隊長近藤勇以下三十名御手当之儀 元治元年

3-4 受け継がれる天然理心流
 函館五稜郭奮戦之図 右田年英 明治24年
 天然理心流目録(近藤信休→藤田彌市) 明治43年2月
 天然理心流切紙(近藤新吉→藤田利昌) 昭和6年5月


同じ名称が複数挙がるのは、それぞれのコーナーに合わせて同じ資料の別の部分を展示したものです。
注意したつもりですが、あるいは書き取りミスもあるかもしれません。悪しからずご了承下さい。
何らかのお役に立ちましたら幸いです。

歳月堂といたしましては、『新徴組戦記』で取り上げた真田範之介と武術英名録の関連展示が、特に興味深く感じられました。

今後、こうした研究がさらに進むことを期待する次第です。

2020-02-16 : こぼれ話 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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「刀鍛冶と文明開化」見学記

パルテノン多摩・歴史ミュージアムへ「刀鍛冶と文明開化 ~明治期・多摩の乞田鍛冶の渡米に見る海外技術導入~」を見学に行きました。
2019年4月20日 から7月15日まで開催の特別展です。

貝取村(現多摩市)の乞田鍛冶、濵田吉之と正行の兄弟が、自らの技能を活かしつつ時代の変化に即応し生きていった様子に、感銘を受けました。
また、幕末から明治の多摩地域、政治や産業など諸相もよくわかり、大変勉強になりました。
新選組や農兵隊、戊辰戦争の旧幕軍、自由民権運動といったことにも関連しています。

とても見応えのある展示ですが、残念ながら図録が刊行されていません。
過去の展示図録『鍛冶屋のあゆんだ幕末・明治』(2009年/同館にて販売中)に共通の内容が掲載されていますが、今回はその後に判明した新しい要素も多数あります。

そこで、見学中に書き留めた展示構成と解説タイトルを、以下に公開します。

第1章 幕末の多摩と乞田鍛冶
多摩に残る麥花塚と乞田鍛冶
麥花塚の建立者・濵田助左衛門一重(麥花)
江戸時代の濵田助左衛門
乞田鍛冶・吉之
乞田鍛冶・正行の刀剣
乞田鍛冶・正行と妻ナミ
正行の江戸拠点
乞田鍛冶・吉之の古文書
小島家に残る乞田鍛冶の記録と資料
当時の村は ~悪化する村の治安~
千人同心・伊野銀蔵の日光勤番
村の武装化と農兵隊の結成
武器請取証
刀剣講
銃砲による武装
小島資料館の農兵隊資料
戊辰戦争と乞田鍛冶
幕府通辞・飯高平五郎と乞田鍛冶
伊野家の資料から ~幕末の知識と関心~

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2019-06-04 : こぼれ話 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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「戊辰箱根戦争 ー小田原藩×遊撃隊」見学記

箱根町立郷土資料館へ「戊辰箱根戦争 ―小田原藩×遊撃隊」を見にいきました。
2018年10月13日~11月25日開催の企画展示です。

展示の趣旨はタイトルのとおり、戊辰戦争のうち「箱根の戦い」を紹介するものです。
すでに周知のとおり、旧幕府・遊撃隊の抗戦派である伊庭八郎と人見勝太郎は、上総請西藩主・林昌之助忠崇と図り、慶応4年閏4月3日に上総で挙兵しました。
この遊撃隊は、5月5日より沼津に滞陣。同17日、上野で彰義隊と新政府軍との戦いが始まったという一報が届きます。
江戸への進軍を開始した遊撃隊は、同19日、箱根関所を守る小田原藩と交戦。
ところが、恭順か抗戦かと動揺していた小田原藩は、一転して遊撃隊と和睦、協調することに。
さらにその直後、再び恭順論に転じ、遊撃隊の討伐を決しました。
同26日、箱根山崎において、遊撃隊と小田原藩との戦いが勃発。
この戦いは1日で勝敗を決したものの、周辺各地で掃討戦が行われるなど、地域一帯に戦争の爪痕を残しました。

企画展では、鳥羽・伏見戦争後、地域に新政府が進軍してきたことから始まり、遊撃隊の来訪・滞陣、箱根関所の戦い、山崎の戦い、その後の地域に残った影響について、多数の資料を展示しています。
遊撃隊と小田原藩、それぞれの当時の動向がかなり詳しくわかる文書記録も。
また、地域の人々が戦争によって多大な被害を受けたこと、後年に遊撃隊の戦死者供養に協力したことなど、「民衆」にも注目しています。

とても充実した企画展なのですが、残念なことに図録が刊行されていません。
また、展示解説書や展示資料リストなどの配布物もありません。
館内は撮影禁止のため、見学を記録する方法はメモをとるくらいです。

せっかくの素晴らしい企画展なのに、この状況は大変惜しまれることです。
そこで、せめて展示資料の一覧を、下記に公開することにしました。
当方が私的に筆記・作成したものなので、公式の図録や展示解説に代わるようなものではありません。不備も多々あるかとは存じますが、何卒ご容赦下さい。
同展に関心を持たれた皆様にとって、多少なりとお役に立ちましたら幸いです。

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2018-11-09 : こぼれ話 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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